甘粛の旅 その4


イスラム教徒は、宗教上の理由で豚肉を食べません。それで、蘭州は昔から牛を使った「蘭州牛肉面」というのがとても有名で、全中国至るところでこの看板を見かけます。私もさっそく食べてみようと思い、ホテルのすぐ前にあった、「馬有布牛肉面」に入ってみました。



ところが、店の中を見渡してみると、ほとんどの人が皿に盛った面を食べているのです。入口にあった「涼面」というもので、私もこれにしました。涼面といっても冷やしてあるわけではなく常温です。面の上にニンジンやジャガイモ、セロリなどが入った野菜の煮物をかけ、その上に、唐辛子と黒酢とヨーグルトをかけるのです。この3つの調味料がほどよくきいて、とてもおいしかったです。1皿7元(1元≒20円)。テイクアウトしている人もたくさんいました。路上の屋台でも売っていて、いわば回族の夏のランチの定番のようです。


バスで1駅東に行くと、庶民の繁華街があって、ここまで来ると、漢族の姿が多くなります。この大連のイカ焼きは、全国どこに行ってもよく見かけます。串に刺しただいたいが、ミミと足ですが、香辛料をしっかりきかせて、思わず何本も食べてしまいます。1本2元。



私が一番気に入ったのがこの「中華クレープ」。北京や太原でもよく見かけるのですが、ここで見たのはなぜか“山東風味”だとかで、皮の生地に、小麦、粟、蕎麦、高粱、キビ、ヒエなどなど、20種類の雑穀を使っているそうです。それをものすごく薄く焼いて、味噌っぽいタレと唐辛子を塗り、油で揚げたせんべいのようなものとレタスをはさんでくるくる巻いて、半分に切ったものが前に並んでいます。1枚4元。


日本には、食品衛生法というのがあって、屋台で食品を扱うのはとても難しいのですが、中国はとにかくなんでも屋台で、見ているだけでも楽しいし、安いし、私は大好きです。腹痛を起こしたことなど一度もありません。思うに、中国の食べ物は、みな強い火で炒めたり焼いたりするので、一見不衛生そうでも大丈夫なんだと思います。もっとも、テラ・スコラツアーで毎年やってくる生徒たちには、最初の3,4日間は“屋台禁止条例”が出ます。


路上で牛蒡を売っていました。ひらがなで「ごぼう」と書いてあります。健康食品ということでしょう。


ミニトマト。店売りの場合、必ず果物屋で売っています。ふつうのトマトは八百屋。


さくらんぼ。500g15元。季節になるとあちこちで見かけます。桜の木があるということなんでしょうね。