国境を越える旅第2弾 その9

カンボジアではほとんど車をチャーターし、びっちりとスケジュールが組まれていましたが、ベトナムは2泊ですし、当初より、自由行動とショッピングがメインと決めていました。宿をとったのはベンタインという市の中心部で、ここからは町一番の繁華街、ドンコイストリートやベンタインマーケット、旧大統領官邸、戦証博物館と、すべて徒歩で廻れます。

カンボジアというのは思いのほか物価が高く、それは主に商品のほとんどが輸入品だからですが、いうまでもなく、カンボジア内戦の後遺症で、自力でモノを生産する能力がまだ整っていないのです。特産の胡椒や石鹸、カンボジアシルクなどを除くと、お土産品はベトナムの方が圧倒的に安くて豊富です。みなもそれを待ち焦がれていたかのように、いっせいに街に飛び出してゆきました。私自身はもうお疲れで、ずっとホテルに籠っていたので、どんなものを買ったのかはわかりませんが、いったんホテルに戻ってモノを置いて、また出かけた人が多かったので、そうとう買い込んでいたと思います。旅に出て、親しい人へのお土産を探すのも大切な仕事ですから、その為の時間も十分に取りました。生徒たちも、そしてそれを受け取る側の人たちも、きっと満足してもらえたのでは。。。


最後の夜は Huong Lai という日本人が経営するレストランで食事をしました。ネットでまったく偶然に見つけた、ベトナム家庭料理のレストランですが、行ってからわかったことは、ここはストリートチルドレンなど、貧困層の若者の自立を支援するためのトレーニングレストランとなっているのだそうです。働いている人たちは、すべてそういった過去を持つ若者たちです。オーナーの日本人男性ともお会いしましたが、ほんとうに穏やかで感じのいい方で、ああ、苦労している人って、顔に出さないもんだなぁとしみじみ思い入りました。2001年からやっているそうで、これからはホーチミンに入るたびに必ず行くことになるでしょう。もちろん料理もおいしかったです。“最後の晩餐”がこんな素敵な店でとれて、私たちはほんとうに幸運でした。