国境を越える旅第2弾 その8

11月28日、いろんな出会いがあったカンボジアに別れを告げ、“国境を越える”日です。セントラルマーケットにあるバスターミナルを、午前8時45分に出発しました。お世話になったブンティともここでお別れですが、みなもう“来年も必ず来る”人ばかりだったので、あっさりしたもので、じゃあまた、くらいの感じでバスに乗り込みました。ところが実は、私もこのルートで国境越えするのは初めてなので要を得ず、けっこうモタモタしてしまったのです。


4時間ほど変哲のない国道1号線を走ると、カンボジア側の税関に到着します。ここで全員、荷物を持ってバスを下りて出国手続きですが、そもそも私たちのパスポートを直前にバスの車掌が集めてしまっていて、私たちはパスポートがないのです。どういうことだろうと不安になっていると、その車掌がオフィスのところで私たちを手招きしています。どうやらここでは、前もって車掌が代行するみたいで、あとはひとりひとり窓口のところでハンコを押してもらって、無事に出国です。


カンボジアの税関を出てしばらく歩くと(国境らしき表示物は見当たりませんでした)、今度はベトナムの税関があります。ここでしばらく並んで入国手続きを済ませ、外に出ました。もちろんここはすでにベトナムの領土です。

プノンペンからのバスを下りるときに、また同じバスに乗るのか聞いてみると、同じだという答えでした。私の経験上からいうと、国境を越えると、待っていた、つまりベトナムのバスに乗り換えることが多いのですが、確かにバスのフロントには、ホーチミン行きと書いてありました。しかし、そのバスがなかなか見当たらないのです。おかしいなぁとしばらくウロウロしていると、おっさんがひとり近づいて来て、ヒドイ英語でどこに行くのかと尋ねます。乗って来たバスを探しているのだといってもなかなか意思疎通ができません。そのうちにそのおっさんが、このバスに乗れといって、これまでとは違うバスを指さし、しかもかなり乱暴に押し込められました。プノンから来たバスは半分くらいしか人が乗っていなかったので、こっちのバス一台に乗り換えるのかと思ってしぶしぶ従いました。中国ではよくあることです。するとくだんの車掌が私たちを見つけて、おーいこっちだぁーと呼んでいます。

みんなまた荷物を担いでゾロゾロと下り、最初の水色のバスに乗り換えました。こっちの車掌がさきほどの男に何か文句を言っています。どうやら私たちは騙されるところだったようで、ホーチミンに着いてから、新たな料金を請求されるところでした。そんなこともありましたが、とにかくその後2時間ほどで無事にホーチミンに到着し、TAXIでホテルへ。もうすっかり暗くなっていましたが、煌めくネオンと遅くまで徘徊する人の波が私たち一行を待っていました。やれやれ、どうやらカンボジアよりベトナムの方が手ごわそうです。