歩いて国境を越える旅 その9




12月9日、ホイアンは、16世紀末から繁栄した国際貿易港で、江戸時代には朱印船貿易の拠点となりました。かつては“日本人街”があったようで、街のはずれに日本人の墓も残っています。ところがその後の江戸幕府鎖国政策で日本人は撤退してしまい、その後に中国人がたくさん入って来たようです。だから現在残っている店舗・家屋は、ほとんどが中国風の建物で、広東や広州などの中国南部の古い都市に雰囲気が似ています。



街を流れるトゥボン川、南シナ海に通じます。18世紀以降、土砂が堆積して使えなくなり、貿易港は海に面したダナンに移行しました。そのおかげで古い街並みが残されたといっていいでしょう。


ホイアンユネスコ世界文化遺産に登録されていることもあり、治安もよく、街もとても狭い区域なので、ホイアンの2日間はほぼ自由行動としました。明日には帰国するわけですから、大切な人にお土産を買うことも重要なお仕事です。ただし、レポート2000字という課題が出ているので、のんびり観光気分を味わっているわけにも行きません。夜遅くまで、あるいは朝早くから、みんなレポート用紙とにらめっこをしていたようです。




民俗資料館の展示。街全体に展示施設が散在していて、街の入り口で買ったクーポンを切り取って中に入ります。古い民家や小さな博物館、華僑会館などなど。一度大火にあって街がほぼ全滅したようで、残念ながら日本人街の遺構というのは残っていません。しかし、ベトナム戦争の時代、ホイアンは米軍基地のあったダナンから、ほんの30キロほどだというのに、破壊されずに残ったのは幸運でした。



ホイアンはランタンで有名。夜になると、町中がこんなに煌びやかに装われ、観光客で遅くまで賑わいます。1年のうちで比較的気温が低く、雨が降らない今がベストシーズンです。