甘粛の旅 その11

天葬台からぶらぶら帰って来る(そもそも早足で歩くだけでゼーゼー息が切れます)途中で、遠くで馬に乗っている人がいるのが見えました。




近づいてみると、10代とも思えるような若い女性でした。子羊を散歩(?)させてるみたいな感じでしたが、言葉がまったく通じず、とにかく後姿だけ撮らせてもらいました。

彼女が着ているのがチベット服ですが、実は日本のきものととてもよく似ているのです。おそらくルーツは同じでしょう。男女同じ形で、きものと同じく前を合わせて帯でしめます。夏場はそれを肩脱ぎして、帯に挟んで着るのが一般的です。女性の腰に挟まれた鮮やかな縞模様の部分が袖口、ピンクの布が帯です。



またぶらぶら歩いていると、草原の真ん中でだれか座り込んでいます。近づいてみるとこんなおばあちゃんでした。何をしているのかと聞いても、やっぱり言葉が通じないのですが、どうやら袋から何点かのアクセサリーを出して、それを買わないかといっているようです。やっぱり観光客が来るんですね。今日は他には誰も来なさそうだし、いずれにしろそんなに長い期間商売ができるわけでもないので、ブレスを2つ買ってあげました。

周りを見回しても大草原の中に草を食む羊やヤクの姿がぽつぽつ見えるだけです。遠くに聳えるのは5000mを越す峰々。夏河で冬場は−30℃といっていたけれど、ここは高度があるので、−40℃くらいかもしれません。こういうところで一生を送るチベット遊牧民たち。あぁ、なんてスケールが大きいんだろう。私もこんなところで暮らしてみたいと、しみじみ思いつつ、山を下りました。