甘粛の旅 その8

夏河からさらに南に224Km下がったところに「郎木寺」(ランムースー)という村があり、その名の通り、ここにも有名なチベット仏教の寺があります。この村は甘粛省四川省にまたがっていて、そのそれぞれに寺があって、夏河に来た人はだいたいここを訪れます。反対に四川省の方から入って、夏河→蘭州へ向かう人も多いようです。

ただし、夏河からのバスは1日に1本しかないので、相乗りでタクシーをチャーターして行く人が多いようです。私も泊まっていたユースホステルで誘われて、4人で行くことにしました。長春の東北師範大学出身の2人のお嬢さんと、長くアフリカで道路工事の技術者をしていて定年退職したばかりという男性との4人です。


標高3000mちょっとの夏河から、さらに高度が上がるということで、私はなんとなくガタガタの山道を想像していたのですが、まったく見当違いで、日本の観光地と変わらない立派な高速道路でした。

チベット人の運転手がとても気のいい人で、ときどき写真を撮るために停まってくれます。ところが、車の中では気が付かないのですが、外に出て、数歩でも歩くともう息が切れてくるのです。小走りでかけようものなら、心臓が破裂するのではないかと思うくらい酸欠状態になって、「ダメダメ、ゆっくりゆっくり」と諭される始末でした。おそらくは、富士山の8合めか9合目くらいの高度があると思います。



両側に広がる風景はこんな感じ。まだ草が生えそろっていないので黄色っぽく写っていますが、あと数週間もすると、緑のじゅうたんが敷き詰められます。



これがヤク。でもヤクの子どもは、どこから見ても牛ですね。


高原道路を3時間半ほど爆走して、郎木寺に到着しました。写真後方の山は5000m峰です。