甘粛の旅 その7

夏河では4泊したのですが、けっきょくラプラン寺の中までは一度も入ってないのです。30元の拝観料をけちったわけではありませんよ。外周をチベット人たちと一緒になってコルラ(巡礼)したり、街中をブラブラしているだけで時間がたってしまったのです。それほどにワクワクすることがいっぱいで、楽しい街だったからです。



チベット人の主食は、主に「青棵」という穀物で作った麺ですが、町には回族の人も多く暮らしていて、パン屋さんがたくさんありました。右側に積み上げてある白いものは、やはりチベット人の主食ともいえるヨーグルトです。買うときに聞いたら、牛の乳のヨーグルトだといっていたのですが、食べてみるとものすごく濃厚でめちゃ栄養がありそうなのですが、ちょっと臭いのです。つまり、これは正確には牛ではなく、ヤクのヨーグルトです。



これが有名な「冬虫夏草」という、蛾の幼虫に寄生した菌類で、自然界最強の滋養薬といわれているものです。標高3500m以上のところでしか採れないそうで、今がまさに採取の時期なのです。目玉が飛び出るほど高価なものなので、生えている場所はもちろん秘密で、山の上にテントを張って一気に採集します。それを夏河に持ってきて、仲買人が買い取っているところです。なんでも、中国のオリンピック選手は、これを飲んで記録を出したとか。でも、いずれは“絶滅危惧種”に指定されるのでしょうね。





びっくりしたのは、予想以上に日本の車やバイクが多かったことです。特にバイクは、おそらく広州辺りに合弁会社があると思うのですが、国産車をはるかに凌駕していたのです。なにしろ、白バイだってSUZUKIでしたから。

思うに、標高3000m以上の高原道路で使用するわけですから、少々高くても性能がよくないともたないのだと思います。チベット族の兄ちゃんたちが、チベット服に身を包んで大草原を爆走する姿は、ほんとうにHONDAのコマーシャルに使ってほしいほどにカッコよかったです。