なつめものがたり その1

この「山の分校」のタイトルバックの右の方に一匹の犬が写っていますが、名前は「なつめ」といって、実はいま、むつみ高校とスタッフのヨネさんの家を行ったり来たりしています。そろそろ1年になります。なぜ中国の黄土高原に居るはずの犬がむつみに居るのか?それには、長い長〜い“ものがたり”があるのです。

ところで、しばらく前に、その里親のヨネさんから、「なつめのルーツがわかった!」というメールが届き、添付されていたのが、下の2枚の写真です。

これは、「チベタン・スパニエル」という種類の犬なんだそうです。

で、下がなつめの写真です。

似てるところもあるけど、まぁ、犬ってこんなもんでしょ?と思われるかもしれませんが、いえいえ、そんな単純なことで、私はなつめのルーツを詮索したいわけではないのです。以下がネットで検索したチベタン・スパニエルの情報です。

http://www.jkc.or.jp/modules/worlddogs/entry.php?entryID=167&categoryID=9

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%99%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%91%E3%83%8B%E3%82%A8%E3%83%AB

私は短い毛が好きなので、しょっちゅう切ってしまうのですが、本来は長毛で、上の情報にあるように、特に尻尾や足指の間にはたくさん毛がはえています。とても陽気で賢いのですが、実はなかなか人になつきません。

ところで、チベットにはもうひとつ有名な犬がいて、それが俗称「チベット犬」で、レトリーバー種よりもうひとまわり大きくて、とても“獰猛”な犬です。去年、中国のどこかの動物園でライオンと偽って展示されていたというのはこの犬です。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%99%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%95

で私は、この中のある部分を見て、なつめのルーツはチベットであると確信したのです。それはどこかというと;
チンギス・ハーンが3万匹のチベット犬軍団を率いて西征した。というところです。

チベットからそんなに大量のチベット犬を連れてきたのなら、ラマ教寺院で愛玩されていた、チベタン・スパニエル(これは後から付けた名前)も、当然一緒にやってきたであろう。そして、その末裔が黄土高原にいても何の不思議もない。

現在むつみにいるなつめには、チベットから中国、ヨーロッパにまで駆け巡った、モンゴルの蒼き狼たちと共に、颯爽と大平原を駆けた先祖たちの記憶が、脈々と流れているに違いない、と思ったのです。