731館長さんと懇談



翌日は731部隊罪障陳列館に向かいました。
実はこれは去年も感じたことなのですが、ここの展示の仕方は、最初の頃とかなり変わってきています。

私が最初に訪れたのは、まだむつみ高校が開校する2年ほど前で、そのときには資料館はまだありませんでした。731部隊の研究棟は、一部おとなりの高校の教室として使われていたし、グラウンドでは生徒たちがバスケットボールに興じていて、私はほんとうにびっくり、というか、度肝を抜かれたのです。私が思う、中国人のフレキシビリィティの原点は、まさにここにあるのです。

その後、徐々に資料館として整えられてきたのですが、以前は、等身大のおどろおどろしい蝋人形などもあって、いかにも中国共産党政権の“愛国教育基地”にふさわしいものだったのですが、最近は行く度に変化しているのです。それは純粋に歴史の証言、資料として後世に引き継ぐことを目的としたものに思われ、もちろん日本人として見るのも辛い展示は多いのですが、かつてのプロパガンダ臭はむしろなくなってきています。参観者もぐっと増えて、平日でも7〜800人、夏休みは1200人くらいになるそうです。この日は、研究者らしき日本人の姿も2人目にしました。

この日、私は体調が悪くて参加しなかったのですが、生徒たちは館長さんに呼ばれて、館長室で懇談の場を持つことができました。この内容に関しては、いずれ同行のスタッフに何か書いてもらおうと思っています。なぜなら、彼女が大学で研究した専門が、まさに歴史資料の保存展示、次世代へどう伝えるかということだったからです。館長さんから生徒たちにそれぞれメールアドレスが手渡され、彼らはとても重い宿題をもらって帰ってきたことになりました。






その後は中央大街の方に戻って、自由時間。かつてのロシア風建築が残る街並みをぶらぶらしました。残すところあと3日、おみやげを買うのに忙しい時間でもありました。