香港→深セン

香港に2週間滞在した後、私は村に帰るべく、まずは広州に移動することにしました。(広州から)太原まで1700キロを飛行機で移動するためです。中国の国内航空というのは、見事に需給バランスの上になりたっていて、料金は変動性で、空いてさえいればどんどん下がってゆくのです。列車より安くなるときすら珍しくありません。

私は香港にいるときから、毎日ネットで検索していましたが、香港からだと国際運賃なみになるのですが、広州まで行けば1万円くらいで買えることがわかりました。広州まではバスで3時間ほど、1200円くらいです。

香港の九龍地区からバスで1時間ほどで、大陸との境界の町「深セン」(大陸部に属する経済特区)に到着します。ここで全員バスを降りて通関業務を済ませて、また同じバスに乗り込んで広州に向かうことになります。

みなさんも世界史の時間に習ったと思いますが、香港はアヘン戦争でイギリスに割譲・租借されたものが、1997年に中華人民共和国に返還され、以来「一国二制度」という不思議な制度によって支えられているところです。香港は中華人民共和国の一部ではあるが、特別行政区として、高度な自治と資本主義的制度が維持されているということです。

で、深センでの通関は、成田や北京空港と同じようなカウンターがずらりと並んでいて、そこをものすごい数の中国人と香港人が、怒涛のように行ったり来たりするのですが、データはすべてIT化されているので、実際にはぐるりとカウンターを廻って、反対側の出口からまた同じバスに乗り込むだけです。この間30分もかからなかったのですが、人さえ多くなければ、10分で済むことでしょう。

私は大きなスーツケースを引っ張って、トイレにも行っていたので、戻ったのは一番最後、運転手はじめ他の乗客は私がどうかしたのかと心配していたようでした。ここから広州までは2時間かかります。

しかし今回、私が実際に2つの地域を移動して感じたことは、これはもう2つの国でしかない、中国と香港は別の国だということです。言葉だって広東語で、北部で使われている標準語、いわゆる中国語とは全然違います。中国語よりはむしろ英語の方が通じます。文字も複雑な繁体字で、大陸部の簡体字とは違います。通貨も違っていて、香港はHKD(香港ドル)という通貨です。車だって、日本と同じ左側通行なんですね。生活レベルからいっても、日本人にははるかになじみ易いところだと痛感しました。