撫順下見旅 その5

撫順の旧市街地というのはとても狭い地域で、車だとあっという間に端から端まで廻れてしまいます。途中途中で、あれも日本人が作った、これもそうだと、于さんのガイドは続きます。

この橋は今でも使われています。もう一ヵ所、永安台に入る永安橋という撫順で一番立派な橋は、最近建て替えられて、つり橋型の美しいアーチになっていましたが、つまりつい最近まで、100年以上使われていたということです。

写真ではちょっとわかりにくいのですが、河の向こう側の岸がコンクリートの壁になっています。洪水から市街地を守るための防水壁です。この河の上流にかなり大きな湖があり、おそらくは春先の雪解け水が洪水をもたらすのでしょう。その分厚いコンクリート壁の上に乗ってよく遊んだと于さんはいっていました。

満鉄が施設した炭鉱の引込み線。かつて、ここを通って最高品質の資源が、首都新京(現在の長春)へ、瀋陽へ、大連へと運ばれていったのです。
余談ですが、こういった、現在は一般人は乗れない引込み線を、旧型の列車が今も走っているようで、“撮り鉄”さんたちには垂涎の地らしいですよ。

すっかり日が暮れてわかりにくいですが、これは煤都賓館という、かつての「満鉄倶楽部」で、「撫順大和ホテル」も兼ねていたようです。門の前の紅いアーチは、80歳の老人のお祝いのパーティーがあるというお知らせ。
ここは大連や瀋陽の大和ホテルほど立派ではないのですが、その代わり料金もそれなりで、9月のツアーのときは、ぜひここに泊まりたいと思っています。