撫順下見旅 その3

当時満鉄の社員は3万人もいたそうで、立派な社員住宅があちこちに建設されました。家族住宅が4500戸、独身寮が27棟あったようです。

于さんに聞いてみると、ここ数年、老朽化が激しくてどんどん取り壊されていて、現在でもまとまって人が住んでいるのは、「新屯」という地域だけだろうということで、さっそくそこに行ってもらいました。

まだ雪が残っている寒い季節でしたが、寒さのせいかあたりはシンと静まり返って人の姿はまったく見られませんでしたが、外側から見ても、人が住んでいることがわかります。道路や路地の感じがなんとなく“日本的”でした。

当時の日本の最新技術を駆使して建造された住宅ですから、とてもシャレていて、細かなところにもその技術が行き届いています。アーチ型の出入り口、出窓、貼り付けられた意匠、みな当時のままのようです。

残念ながら今回は住民と会話することもできませんでしたが、9月には、ぜひいろんなことを直接聞いてみたいと思っています。