テラ・スコラ国境を巡る旅 (つづき その5)

9月26日(月) 丹東→東港日本語学校

丹東から東に45kほど行った鴨緑江の河口にあるのが東港市です。黄海に面した港町で、日本からの貨物船も入港します。ここに実は日本語学校があるのです。

正式には「大東港中日友好日語中等専門学校」といいます。年齢的には、日本の高校生くらいです。なぜこんな日本では知られていない町の日本語学校を知ったかというと、6年前に、当時私たちの知り合いの瀋陽の大学生が東港出身で、彼が「東港には日本語学校がある」といったので、私はほんとかどうか確認しに行ったのです。そして、町をぶらぶら歩いていたら、背中に「にほんご」と書いたジャージーを着ている若者を見つけたのです。

その翌年から、東港日本語学校の生徒たちとは交流が続いています。みんな日本語を勉強しているわけだし、こんな“田舎町”に同世代の日本人がやってくることなどないので、もうもう、私たちが行くと大大大大歓迎で、「信濃むつみ高校のみなさんようこそ!」と横断幕が張られ、800人ほどの全校生徒が講堂に集まって、歓迎集会が開かれます。

その後には、みんな自分のところに来て欲しいから、もう引っ張り合って、日本人生徒を“拉致”して、離してくれません。なにしろ倍率は50倍以上ですから、向こうも必死なのです。1、2年生はともかく、3年生ともなるとみんなほんとうに日本語が上手で、次から次へと質問攻め、こんなに“モテ”たことは生まれてこの方なかった生徒たちは、それだけで胸にじーんと来て、涙ぐんでしまうほどです(ちょっとオーバーか?)。

基本的に、中国の学校は、小学校をのぞいて全寮制なので、この学校も敷地内に学生寮があります。生徒たちはこの日から3泊4日、寮に泊めてもらって、24時間体制で交流することになるのです。食事も、学食で一緒にとり、寝るときも同じ部屋です。私たちスタッフは、みなさんのおじゃまをしないように外部のホテルに泊まるので、夜を徹してどんな風に盛り上がったのかは知る由もないのですが、必ずや、いつまでも心に残る楽しい夜になることでしょう。

北朝鮮を望む、国境の町まではるばるやってきて、中国の若者と日本語で交流するという、テラ・スコラならではの、“地球が教室”体験を堪能してくださいね。