テラ・スコラ国境を巡る旅

本年度の「中国研修旅行」のスケジュールが決まりました。
今年は、神戸港から天津港に向かう「燕京号」で、50時間かけてはるばる海を越えて中国に上陸することになりました。前夜に学校に集合して、夜行チャーターバスで神戸に向かいます。あずさ号で成田に向かい、3時間ほどで瀋陽についてしまう航空機利用と比べて、出発前からかなりドキドキワクワクの長旅です。

9月21日(水)10:00  燕京号乗船

瀬戸内海を通って関門海峡へと向かいます。途中で明石大橋、瀬戸大橋の下をくぐりぬけます。地上から見るよりも、ずっとずっと巨大なアーチで、これを造るのにいったいどれだけの時間とお金と労力がかかったか、きっとおおきなため息が出ることでしょう。

深夜0時頃に関門海峡を通過します。これも地図上で見るのとは大違いで、両岸の夜景がぐんぐん迫ってくるのが恐ろしいほどの迫力です。一見の価値多いにありです。

関門海峡を越えると徐々に日本から遠ざかってゆくのがよくわかります。いったいどのあたりまで携帯電話が送受信できるか?携帯世代のみなさんにはけっこう面白いアトラクションになること請け合いです。

携帯が繋がらなくなる頃から、いよいよ外海に出るので、船は少し揺れますが、ちょうど寝ている時間帯なので、気がつかない人もいるでしょう。そこ以外は瀬戸内海も黄海も船はほとんど揺れません。私自身は、船酔いは一度も経験がないですね。もちろん船にはドクターが乗っているので、万が一のときも安心です。

9月22日(木)

1日中ずーーーっと海の上です。360度水平線。他の船とすれ違うことはまずありません。トビウオの群れと追いかけっこをすることはありますが。

途中でかなり近くに島影を発見します。韓国済州島です。このあたりでは、小さな漁船の姿もちらほら。アンニョンハセヨー!みなさん船旅を楽しんでください。

ただし今回は、しっかりと“お勉強”もしていただきます。プロジェクターを船内に持ち込んで、ビデオ上映会、討論会etc. 盛りだくさんです。航空機利用なら、ほんの3時間ほどで中国大陸に着いてしまうので、心の準備も頭の準備も、ほとんど何もなしですが、今回は何しろ50時間以上ありますから、ゆっくりと“準備”してくださいね。

9月23日(金)15:30   タングー港到着

これはあくまで予定です。なにしろ船ですから、そんなに時間通りには到着しません。それにおなじみ“台風シーズン”ですから、到着どころか、出港すらあてにならないのです。

もしかしたら、大型台風にドンピシャで、出港まで3日間ほど船の中に缶詰で、おかげで1年間分ほどもお勉強ができた、なんてことになっても、その時はその時、もちろん「テラ・スコラ国境を巡る旅」は成立します。私はひたすらタングー港の桟橋で燕京号の到着を待ちます。まるで平成の“岸壁の母”のように。(←これわかる人、ひとりもいませんね)