9月24日 東港日本語学校へ

正直いって、これまではほんとうに“辛い”旅でした。尖閣の嵐が吹き荒れる中、日中戦争時に日本軍がどんなに酷いことをしたかを、直接当時のことを覚えている老人たちから聞いたり、満蒙開拓団の跡地を訪れたり、731部隊記念館・918記念館と、もう日本人であることがやりきれなくなるほど、辛い旅だったと思います。でも、ようやく今日から、心底“楽しい”“感動的な”旅が始まったのです。

昨夜、北朝鮮との国境の町、丹東に到着しました。瀋陽からは高速バスで3時間半です。すでに日が暮れていたので、食事をとってすぐにホテルに帰ってミーティング。私たちの旅は、毎晩必ず反省会というか、ミーティングをやって、その日にあったこと、そのときに考えたことなどをみなで話しあいます。

そして今日は丹東から東に1時間ほど、丹東市内ではありますが、海に面した東港という町に移動しました。ここにある日本語専門学校の生徒たちと、毎年交流を続けているからです。

まずは、大食堂に全校生徒が集合して“大歓迎会”。ほんとうに信じられないほどの熱烈歓迎ぶりで、ひとりひとりの生徒を両側から2人3人の東港の生徒たちが、ほとんど拉致せんばかりに自分たちの方に連れ去ります。それまで日本人の“負の部分”にうつむきがちになっていた生徒たちには強烈な印象を残します。毎年、まずはこれでそれまでのやや凍りついた心が癒されるのです。

歓迎のあいさつ、二胡の演奏、手話のダンスなどなどが披露され、日本側からも壇上にたって、堂々のあいさつ。日ごろものも言えないような引っ込みがちの生徒も、いつもこのときは不思議と数百人を前にあいさつをします。ほんと、不思議です。

その後は、“選抜“された、日本人生徒×2の東港の生徒たちと一緒に“高級レストラン”へ。なんと、東港名物の蟹が、ひとりに1つずつ出るという豪華さでした。実はこの選抜試験というのがたいへんで、毎年100人以上の希望者の中から選ばれるのだそうです。

そして宿泊は、生徒たちはみなと一緒に学校の寮に泊まり、私たちスタッフは、おじゃまをしないように、学校が用意してくれたホテルへ向かいました。

*歓迎会で聞いた生徒代表の話は、とてもキレイな日本語で、彼女の努力が表れているようだった。また、生徒の多さ、歓迎の凄さに圧倒された。夕食はとても豪華で、特にカニの食べ方は豪快だった。改めて、自分が中国人に抱いていた印象と認識を見直す一日になった。

日本語学校に来るまで、中国人からはずっと冷めた目で見られ続けていたので、全校の生徒に歓迎されたときは、とても感度的だった。

*中国に到着してから初めて大歓迎された。ぎこちない日本語で積極的に話しかけてくれてとても嬉しかった。