分校の秋 その4

粟と大豆とじゃがいも、この3つが村人の主農作物です。粟とじゃがいもは、ほぼ自家消費されますが、大豆は換金作物として、売ったり、また豆腐や油を買うときに、大豆で払ったりします。例えば500グラムの豆腐を買うときは、500グラムの大豆を渡します。

この大豆の収穫が重くてたいへんなのです。このお兄ちゃんは、50キロほど担いでいるそうです。

収穫した大豆を庭や道路に広げてしばらく乾燥させます。私は一番最初、庭に広げてあった大豆を踏まないように気をつけて通ったのですが、実は道路に広げたものは、バイクや車に踏んで欲しいから広げてあるのです。思いっきり踏んで歩いていいのです。

3、4日広げておいてから、こうやってパタン!パタン!と打って、豆を落とします。この道具は、家々でいろんな形のものがありますが、この家では、タイヤを細く切ったものを使っているようです。

その後に殻と豆が一緒になったものを、何度も何度も上からザザーッと落として、豆だけをより分けます。普通は崖っぷちで、下から吹き上がってくる風を利用するのですが、このじいちゃんはなんと、扇風機という“新兵器”を使ってました。

これは、石臼でトウモロコシと粟を挽いているところ。これに小麦粉を加えて練って、麺にして食べます。
日本にいれば、これらの工程を工場で経た後の乾麺しか目にすることはできませんが、村ではその工程が手に取るようにわかります。世の中に、例えどんな異変が起ころうとも、ここではこうやって自分たちの生活は、自分たちで立ち上げているのです。