分校の秋 その2

私はコスモスの花が大好きで、去年日本に帰ったときに種を買いました。袋には「中国産」と書いてありました。こんなものまで今や中国で生産しているのかとビックリしましたが、これなら自然界のルール違反にもなるまいと思って今年の春に蒔き、それが立派な花をつけました。

この夏は旱魃気味で、半分以上が枯れてしまって、残ったのは10本だけです。でも、けっこう豪華に花をつけてくれて、私は1日に30回くらいは眺めています。

かいわいに花が少ないせいか、毎日いろんな昆虫がやってきて、それを見つけるのも楽しみです。この秋は雨が多かったので、昆虫も例年より多いような気がします。

昆虫といえば、この夏、ウチの庭にスズメバチが巣を作ったのです。日本では、スズメバチに刺されて死ぬ人がけっこういるので、村人に聞いてみると、このスズメバチでは、人が死ぬことはないということで、そのまま共生しました。巣がどこまで大きくなるか楽しみだったからです。
ところが、今月の中頃から不思議な行動をとり出し、毎日会議のようなことをやっているのです。いったい何事だろうかと監察していたのですが、10日間ほど会議を続けたのちに、じゅんんじゅんにいなくなってしまいました。ハチの死骸も3つ4つ見つけました。

きっと働きバチ達は、その役目を終えて死んでいったのでしょう。女王蜂はどこかで越冬するはずです。
今はすっかり空になってしまった巣をながめながら、あぁこれから厳しい冬がやってくるなぁと、ため息をついたのでした。
そして今朝、“分校の庭”にチラチラと初雪が舞いました。

(10月26日)