分校の秋 その1

みなさんお久しぶりです。
最後にブログをアップしてから、そろそろ2ヶ月近くになりますが、私タカノツメは、その間何をしていたかというと、実はとても忙しかったのです。

9月16日〜28日までという長〜いスケジュールで、今年の「テラ・スコラ中国の旅」があり、瀋陽チチハルハルビンなど中国東北地方に行っていました。もちろんみんなが来る前から現地に入っていろいろ準備をしていたし、帰ってからもまたしなければならないことがたくさんあったのです。

で、その旅の様子はまた後日アップすることにして、今回は“旬ネタ”で、分校がある、つまり私が今住んでいる黄土高原の秋の風景をお届けします。

私が住んでいる辺り(黄土高原東部、黄河をはさんだ東側)では、秋は日本よりずっと早くやって来て、日本では“残暑厳しきおり”の9月の半ばには高原の景色は夏から秋に一変します。その後日に日に気温は下がってきて、これを書いている今の外気温は7℃です。

しかし、日中の陽射しはまだまだきつく、村人たちは早朝から日没まで、農作物の収穫に忙しい時期です。

まず、トウモロコシの収穫から始ります。これはすでに畑である程度乾燥させてから収穫し、粉に挽いて麺にまぜる材料にしたり、家畜の肥料にもなります。商品作物で、乾燥させて備蓄し、必要なときに現金に換えることもできます。

今年は夏場に旱魃で、秋口に長雨という悪条件だったので、収穫量も品質もよくないみたいですが、ジャガイモ、サツマイモは村人たちの準主食ともいえる作物です。なんといっても備蓄がきくからで、ジャガイモは庭にムロを掘って保存し、サツマイモは部屋のタンスの上などに並べます。サツマイモは外では凍ってしまうので、暖かい室内で保存し、いずれも来年の夏ごろまで食べることができます。

村人の主食は粟と、小麦粉で作った麺です。粟は中国語では「小米」(シャオミー)といい、日本で食べる米のことは「大米」(ダーミー)といいますが、単に「米」というと、この粟のことを指します。日本で見る粟は、ほとんどトリの餌のようなものですが、こちらの粟はずっと固くてきれいな粒で、栄養価も高く、「大米」よりずっとおいしいと村人はいいます。もっとも、この地で買う大米はほんとうにまずくて、日本なら決して商店の棚に並ぶことはないでしょう。需要がないから、品質のいい大米が回ってこないからです。

綿の生産量は少なくてほぼ自家消費用。何年分かをためておいて布団にします。

これはおまけで、我が家のトマト。何年も植え付けがなかったところに植えたので、ビギナーズラックになりました。甘くてちょっと青臭くて、“昔トマト”の味がして、ほんとうにおいしいですよ。まだまだ10個くらい収穫できそう。今年の我が家は“大豊作”です。

(10月22日)