国境を越える旅第2弾 その3

今回の参加者の中に3名ほど、福祉方面への進路を考えている生徒がいます。それで今日は、午前中に日本人が経営する孤児院を訪問し、午後には「バナナペーパー」というNPOを立ち上げた、タクヤさんという20代の青年のフィールドを訪問しました。

彼は、汚染物質にまみれながら“ゴミ山”で廃品を回収して生活している村人たちの姿を見て、何か他のかたちで生活の糧を得られないかと模索しました。まわりにいくらでも生えているバナナに着目し、実を収穫したあとの茎から繊維を取って紙にして売ることを思いついたのです。



バナナは草本なので、1度実をつけるとあとは使い道がありません。新しい芽は地下茎から自然に出てきます。この枯れるだけのバナナの太い幹を薄く削って、大鍋でぐらぐら煮て、紙すきをするわけです。みんなも村人に教えられながら挑戦してみました。



タクヤさんのところでは日本語学校も開いていて、普段はお休みの時間帯に、連絡を受けた生徒たちが、それぞれ自転車でかけつけてくれました。日本語を取得することによって、村人に新しい雇用の道を探ろうという試みです。

タクヤさんの、「ここで村人と一緒に暮らしていて、自分が楽しいから続けられる活動なんです」という言葉は、福祉を目指す生徒たちの心にスンナリと受け入れられたようでした。